Festina Lente3

Festina Lente3(ゆっくりいそげ3)は現在進行形。(ゆっくりいそげ 続編)還暦を迎える年から再スタートした日記です。

あの世への往来有りて

無病息災の陥穽

あの世への往来ありて今更に息災の文字をしみじみと見る。
もしも直近で何かあれば冷静ではおられまい。
なのに、帰宅すれば昼夜逆転で台所を根城にうつらうつら。
日々昼日中の出来事が刺激になって、夜は寝られぬ。
揺れる乗り物や湯船の中だけが揺り籠の様に心地よい。


日常非日常にバタバタしているうちに、天地総子市原悦子も梅原武も逝ってしまった。
私にとっては連想ゲームのキャブテン、太陽の王子ホルスの大冒険ヒルダ、
哲学というよりも歴史の先生だった方々。どんどん昭和が遠ざかっていく。
きっと平成もドップラー効果の彼方になるのだろう。
私の中で懐かしいと思うものは、親世代の歴史。
自分自身の歴史が如何ほどの物か、目に見えて残すものがないだけに哀しい。


だから、人は子供に執着するのかもしれない。
自分が残せる歴史は自分自身だと言える人がどれだけいるのだろう。
自他共に認められるような、はっきりしたものを残せる人はどれくらい?
だから、人の生き死にの周囲には親子、家族の歴史が渦巻いている。