Festina Lente3

Festina Lente3(ゆっくりいそげ3)は現在進行形。(ゆっくりいそげ 続編)還暦を迎える年から再スタートした日記です。

コロナでも誕生日は来る その1

老母は87歳

母は今日で87歳になった。昭和8年生まれ、戦争を経験した世代。
今でいう中学1年生の時に終戦。女学校の一年生だね。
村からおよそ片道8キロを歩いて通ったという。往復16キロ…。
2時間かけて徒歩通学ってことですか、いやはや、想像できない。
往復4時間は平日の私の睡眠時間に匹敵。
農家の生まれだから、もちろん家の中でやることは多い。
されど、都会育ちの同い年の従姉妹が疎開してきていて同居。
何かと比較され悔しい思いをしたことも多かったらしく、
何度その苦労話を聞かされたかわからない。



母は87歳。よく、ここまでご無事で…と言いたいが、結構呆け呆け。
ほぼ、1日の大半を布団の中で横になって過ごしているものの、
食事や排泄・入浴は何とか自力で出来るので、頑張ってもらっている。
それが、運動になるからね。多少の粗相はあれど、気にしない、気にしない。
記憶はまだら、やることは? 普通のように見えたり、鬱病患者のようだったり。
機嫌が悪いのか全然わからな時も多い。私は自分の未来を観る気持ちで眺める。
そして、娘にもこの状態を知っておいてもらいたいと思っている。
酷な話かもしれないが。



朝から着替えて食卓に座っているので、体調がいいのかなと思うと、
○○へ行くと言ってきかない。退職してから20年以上も経つのに、
まだ職場に行って仕事をしようというのか。やれやれ。
私も将来こんな風になるのかなあ。
でも、コロナの未来は今のところ見えない。
かつてこうだったという前例がない、何もかも初めての事態だから。



先ほどから何度もニュース速報が流れているが、
1か月をめどにしなくてもオリンピックは中止か延期のどちらかを選ぶしかないだろう。
素人考えても今の状況を鑑みればわかることだ。
参加することに意義があるのなら、来られるものだけ受け入れて
通常開催を主張・強行してこそオリンピックというのは詭弁だし、
それこそ「おもてなし」に反するのではないか。
平和の祭典なら猶更、世界中がパンデミックに喘いでいる時に、
国力を何に注ぐか考えれば五輪どころではないだろう。


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そもそも、国内が自然災害に苛まれている時に
欲ボケになっていたことを棚に上げて、面子ばかり気にしている場合か。
大国や隣国の顔色を窺って忖度している場合か。
自分の国のことを憂える真心、誠は無いのが政治なんだな…。


こちらは高齢の両親がこの病に罹らぬことを祈るだけ。
もちろん、自分もそうだが。家族全員、息災で過ごせることを祈るだけ。
老母の誕生日、コロナでも誕生日は来る。日常生活は送らねばならない。
出来るだけ平穏に、健康に、日々が過ぎることを祈るしかない。
出来ることはやってみるが、人との接触が危ぶまれる中、
外部のリハビリや、通所サービスなどもってのほかなので、
普段から家に閉じこもって自分の世界にいる老母の日常は、
今までと大差なく流れている。


付き合いが悪い、サービスの利用が下手と揶揄されてきたが、
少なくとも今は、我が家にとっての日常が流れている。
これが、長く続くように、この静かな日常が。
お母さん、誕生日おめでとう、87歳。
これからも、元気で。